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2018年3月29日 (木)

パイロットの世界でもIT化が進んでいます

ボーイング 777 副操縦士 楠

Category:  パイロット

皆さまこんにちは。本日も旅コラムをご覧いただき誠にありがとうございます。
ボーイング 777 副操縦士の楠と申します。

嵐のCMでご存知の方も多いと思いますが、昨年より日本航空では国内線機内Wi-Fiを無料でお楽しみいただいております。

空の上も含めてインターネットの記事を見るときに、皆さまは何でご覧になっているでしょうか?スマートフォン?タブレット端末?ノートPCでしょうか?
ひと昔前では考えられなかったほど技術が進歩してきており、いつでもどこでも世界中の情報を入手することができるようになってきました。
パイロットの世界でもIT化が進んでいます。今回はその一端をご紹介いたします。

さて、突然ですが私たちパイロットが普段使っているフライトバッグは一体何キロあるかご存知ですか?
重いのでキャリーカートに乗せながら運んでいるパイロットが多いと思いますが、測ってみると・・・・約12kgでした!
フライトバッグの中身はこちらの記事(https://tabi.jal.co.jp/tabicolumn/2012/01/post-299.htmlhttp://tabi.jal.co.jp/tabicolumn/2015/03/post-722.html)でご紹介しましたが、この中で最も重いものはチャートと呼ばれる航空図の入っているマニュアルです。
これは一冊・・・約4kgほどです。

フライトバッグの中には多くてこのチャートが2冊、そのほか飛行日誌、手袋、サングラスなどが入っています。

さて、このチャート、どのようなものかというと、飛行機の使用する地図であります。
皆さん車で目的地まで行く時はどのようにして地図を見ていますか?以前は紙の地図を使っていたことと思います。今はカーナビでしょうか?携帯電話の地図機能でしょうか?

パイロットは飛行計画に従って飛行機を運航しており、チャートと呼ばれるこの航空図には出発するためにどこでどのように旋回し、どこまでの高度に上がっていくか、飛行機をどのように降下させて着陸のための滑走路を見つけるか?という3次元のデータが書き込まれています。これを飛行機のコンピュータに入力することで正しい道を飛んでいくことができます。

チャートの図

このチャート、多いときには週に一度最新の情報が配布され、パイロットたちはその度に紙を差し替えてきました。この作業を"リバイス"というのですが、全世界の飛行場や空域の情報が更新されるためリバイスは大きな負担となっていました。

リバイスをしている図

これを電子化して飛行機の上で使えるようにしたものが「クラス1EFB」(※)と呼ばれるタブレット型の情報端末です。787など一部の航空機に備え付けられている「クラス3EFB」と似ているのですが、これとほぼ同等の機能をタブレット型情報端末に搭載することで、すべてのパイロットが持っているこのチャートを電子化することができます。
(※)EFBとはErectronic Flight Bagの略で、従来紙媒体で航空機乗組員に提供してきたデータを操縦室で電子的に表示する機器をいいます。航空局通達によりクラス1、2、3に分類されており、クラス1は取り外しができる既製品のPED(portable erectronic device)をベースとして構成されます。787など航空機に取り付けられているEFBはクラス3に分類されています。

チャートを表示する専用のアプリケーションを使い、下の画面のように、ボタンをタップすると・・・。Updateが始まり一瞬で"リバイス"が終わります。
表示される情報は紙のものと同じかそれ以上に見やすく最新のものが表示されることとなります。

クリックしてアップデートしている図

フライトバッグの中身も

ここまですっきりとします。

実際にコックピットで使う場合・・・。
以前はこのように紙のチャートをクリップで挟み込んで使用していたのですが、現在はこのように「クラス1EFB」を窓のそばに取り付けて使います。

パイロットは世界各地を飛び回っているので、新しいチャートを受け取りに行くのはひと苦労です。そこで上でお見せしたような情報配信用のアプリやメールを使うことで、リバイスが簡単になっただけでなく、以前は紙で配られたチャートなどのマニュアル類を取りに行く必要がなくなりました。瞬時に最新の情報を得ることができるのです。

また、飛行機にはパイロットが持ち運んでいるマニュアルだけではなく、法定搭載書類と呼ばれる法律で決められた多くのマニュアル類が紙で搭載されており、実は20kg近くの重さがあります。そのため、これら機内搭載のマニュアル類も電子化して取りおろすためのプロジェクトが進行中です。

このようにパイロットの世界でもマニュアルをIT化するなど更なる業務の効率化をはかり、より安全で快適な空の旅を皆さまにご提供できるよう日々努力しています。

それでは皆さま、また空の上でお会いできるのを心よりお待ちしております。

※旅コラムは、2018年3月29日時点の内容です。

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