ここから本文です

自分らしい旅のヒントが見つかるWebマガジンサイト

2018年1月25日 (木)

オーロラと夏の大三角と

ボーイング787機長 山本

Category:  パイロット

皆さま、こんにちは。
ボーイング787機長の山本です。
寒い日が続いていますが、如何お過ごしでしょうか。暦の上では大寒となります。一年で最も寒さの厳しい時期です。大寒の日の朝の水は腐らないと言われ、お酒や味噌や醸造の分野では古来仕込みをする大切な時期なのだそうです。また、現代の日本では受験のシーズンです。食べ物だけではなく人も熟成される大切な期間と言えるのかもしれません。

今回は空の時間軸で感じる季節の変化をご紹介します。787の就航は路線の特徴として夜間のフライトとなることが多く、コクピットからは星空を見る機会が多いのです。特に東向きに飛行をすると、星は地上よりも早く動きます。ヨーロッパ線は緯度が高い場所を飛ぶことでオーロラを見るチャンスもありますが、星が綺麗な夜はこれらもフライトの楽しみです。立春の夜明け前、高度四万フィートから見える夏の大三角形をご案内いたします。

一月末ヘルシンキ出発。
成田の着陸担当の私は、離陸してすぐにレストに入っていた。
そろそろ交代の時間だ。
コックピットに戻ると最初は副操縦士の右席に座る。
アルハンゲリスク上空。暗い操縦室に入ると左側の窓一面にオーロラが広がっていた。地上は点々とした街明かり、そして所々に明るいオレンジの天然ガス田が見える。気流も安定している。すべてが順調な夜間飛行。
右側窓の高いところにもオーロラが掛かっていた。

南の空には冬の大三角形。夜の早い時間帯ながら冬の星も大分西の空へと移動している。そしてこの冬の星々にもうっすらとオーロラがかかっていた。今晩は、787に移行して見てきたオーロラの中で最も美しい。いや、これまでの人生のなかで五本の指に入るくらい見事な美しさかもしれない。
北の空のオーロラはすごく近くに見える。そしてどこまでも遠くに続いている。時折、非常に濃く白色に若干緑が混ざったような状態になり、さらに瞬間的に赤みがかったりもする。
オーロラが輝き、光の薄い部分では冬から春の星座の一等星がその存在を主張している。ここは現在マイナス70度の成層圏。高度四万フィートが私の職場。この場所にこうしていられることの幸せを感じていた。
やがて航路は南へと変針して、徐々にオーロラの光は弱くなってきた。薄れゆくオーロラの向こう側に、天の川が現れている。夜明けまであと二時間。先週は天の川の上を飛ぶ、はくちょう座と川のほとりのこと座が見えたところで夜明けだった。今は天の川の下側にある、わし座も見えている。遂に夜明け前に夏の大三角形が完成した。
もうすぐ立春だ。
いよいよ夏の星が存在感を示し始めた。
春はもうすぐそこまで来ている。

※旅コラムは、2018年1月25日時点の内容です。

オススメツアーあります! JAL e トラベルプラザでは多彩な国内・海外ツアーをご用意しています! 国内ツアー 海外ツアー

ページのトップへ

最近の記事
カテゴリから選ぶ
JALグループスタッフ
CA (294)
パイロット (296)
スタッフ(国内情報) (421)
スタッフ(海外情報) (419)
国内情報
北海道 (95)
東北 (55)
関東・信越 (35)
中部・北陸 (36)
関西・南紀 (20)
中国・四国 (106)
九州 (114)
沖縄 (60)
海外情報
ハワイ (215)
アメリカ・カナダ・中南米 (57)
ヨーロッパ・中近東・アフリカ (155)
オセアニア・南太平洋 (32)
グアム・パラオ(ミクロネシア) (23)
アジア・韓国 (43)
中国・香港 (12)
台湾 (6)
テーマ
旅のお役立ち情報(海外) (6)
旅のお役立ち情報(国内) (1)
旅のエトセトラ (2)
カレンダー

日にちで選ぶ

<< 2018年01月 >>
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031 

月で選ぶ

ページのトップへ